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スティーブン・ニューウェル(Steven Newell)のチャイナ・ドラゴン
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私の好きな作品たち #1

2012年は辰年なので干支にちなんで、イギリスのガラス作家 スティーブン・ニューウェル のガラスの大皿(直径50cm)チャイナ・ドラゴンを飾っています。
日本のガラス制作の場合、すべてのプロセスを一人でこなすことは少ないのですが、スティーブンはすべてのプロセスを彼自身によって制作しています。表現に必要なすべてのプロセスの技術をマスターすることは大変なことですが、スティーブンの場合、器の形状と絵との関係が重要なため、すべての工程を自分でやらないと、イメージが完成できないと言っています。
美しい形のガラスの面に、彼ほど豊かなイメージの絵が描ける作家はいないと、私は勝手に確信しています。

大皿などの大きなものを宙吹きするコツは、力というよりダンスをするようなリズム感が大事だと来日したとき語っていました。初めに透明なガラスで吹き、大皿の形にしたあと裏面にうすいグリーンを色被せしています。そのあと、裏面をドラゴンの形にマスキングしてサンドブラストすると、グリーンのドラゴンが残ります。力強い目や口の線は、グラビールという彫る技法を使っています。スティーブンのグラビールの表現力は素晴らしく、線が生き生きしています。


スティーブン・ニューウェル(Steven Newell)のチャイナ・ドラゴン_c0009350_430497.jpg2羽の白い鳥は、大皿の表面の方をサンドブラストして表しています。鳥の体のぼかしはサンドブラストの強弱で表現され、体や羽に立体感がでてドラゴンのそばを飛んでいます。裏面にも小さめな2羽の鳥が飛んでいて、祝福されている気持ちになる私の大好きな作品です。
(4月末まで展示予定です。オープンを確認のうえ、ぜひご覧ください。)

三春堂の30年を振り返る記事はこちら。スティーブンの作品との出逢いも書いています。
■ 「三春堂はもうすぐ30周年」(07.11.1)
by miharu-ando | 2012-03-21 04:54 | 日常
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